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分散型取引所(DEX)、6月の取引高は15億ドルを突破──資金流入する「DeFi」 | | コインデスク・ジャパン
ブロックチェーン上にさまざまな金融サービスを展開し、そのエコシステムの中でアプリを利用して誰もが参加できる分散型金融(DeFi=Decentralized Finance)がアメリカで急拡大している中、DEX(分散型取引所)における6月の取引高は15億2000万ドル(約1640億円)となり過去最高を更新した。
前月から70%増加したことになる。デューン・アナリティクス(Dune Analytics)のデータで分かった。暗号資産データのメッサーリ(Messari)でDeFiアナリストを務めるジャック・パーディ(Jack Purdy)氏は、市場の急拡大は昨年末から続くトレンドだと話す。
- 特にユニスワップ(Uniswap)が4億4600万ドル、カーブ(Curve)が3億5000万ドルと2つで50%以上を占めた。
- どちらもプロトコルを使って取引を行う自動マーケットメーカー(AMM:automated market maker=値付け業者で、より自動化されたDEXのこと)。
- またAMMとしても機能する自動ポートフォリオ管理アプリのバランサー(Balancer)も取扱高は9300万ドルとなり、前月の360万ドルから2460%増加。
- パーディ氏によると、DEXの成長の要因の一つは「自動マーケットメーカー(AMM)の増加」にある。
- DEXは「暗号資産市場の最後尾」で大きな流動性を提供、ときに従来の中央集権型取引所よりも注文のロスや遅延などが少ないケースもある。
6月の取引量の拡大は、自動マーケットメーカー(AMM)における増加(170%以上の増加)がけん引した。従来のDEX(分散型取引所)の成長は10%にとどまった。
- DEX(AMMを含む)は依然発展途上にあり、急速な成長はリスクにもつながる。
- 取引量の増加はやや過熱ぎみ、「懸念すら感じる」とパーディ氏。
- 2020年1月以降、AMMを含むDEXの取引高は、2億7600万ドルから4倍以上に増加。
- 人気のDEXが「厳しく監査され、安全と見なされている」(パーディ氏)としても、不正アクセスなどの攻撃の可能性は残る。
- バランサーは6月29日に攻撃を受け、50万ドルを失った。
- DeFiのさまざまなサービスが複雑に絡み合うようになるほど、潜在的な攻撃の可能性は増加する。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Dune Analytics, CoinDesk Research
原文:Decentralized Exchange Volumes Up 70% in June, Pass $1.5B
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